送信者:ぴいこ
兵庫県在住の五十七歳、男です。
突然のご連絡で大変失礼かとは存じますが、
もし宜しければ、私の話を聞いてはくださいませんか。
のっけから不幸話になってしまうのですが、
私は四十歳の頃、妻を胃癌で亡くしました。
その七年後、私が五十二歳の時分です。
私には娘がおり、当時二十二歳の大学生でした。
就職活動に難航しておったのですが、やっとのことで応募先の一社から内定をもらい、喜悦の真っ只中におった折です。
私としても、妻に先立たれ男手一つでおっかなびっくり育てた娘が、社会に必要とされるまでに立派に成長したことは、大変うれしく、感慨深いものがありました。
ところが、その年の二月十五日、娘は帰宅途中に飲酒運転の車にはねられて亡くなりました。
私は娘を亡くしてから、現実逃避のため狂ったように仕事に打ち込みました。
盆も正月も墓前に顔を出さず、働いて働いて、働きました。
そうすると六年が経っておったのです。
先日娘の七回忌をひっそりと終え、過去を振り返ると、年甲斐もなく涙が止まりませんでした。
私の人生とは一体何だったのでしょう。昨日、会社に辞表を提出しました。
来月いっぱいで辞職することになりましたが、たまった有給を全て使い切るつもりでおるので、会社に向かうことはありません。本日から事実上の無職であります。
現在私に残っている財産は、家と土地、それから現金だけです。
これから私はこれらの財産を全て使い切り、人生を終えようと考えています。
現金は四千万円ほどあります。
これを年間五百万円ずつ使い続けると、八年後には全て使い切ることができます。
金は全て自分のために使おうと思っています。しかし私には物欲はありません。
そこで、メールフレンドになってくださいませんか?
お礼として月六十万円差し上げます。
メールフレンドですので、やることはメールのみ。面会を求めることはありません。
どうか可哀想な年寄りを慰めると思って、引き受けて頂けませんか?
よろしくお願いします。
鈴木正二郎
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